結論: 栃木県内の企業がAI導入を最初に相談すべき窓口は、栃木県が設置した「とちぎビジネスAIセンター」(宇都宮市ゆいの杜/TEL 028-680-5762)です。
理由: 相談・ベンダーとのマッチング・補助金情報・導入時の伴走支援までを一つの窓口が担っており、AIの話をゼロから持ち込める県の拠点だからです。
実行: まず自社の困りごとを1枚に書き出し、同センターへ個別相談を申し込みます。
注意: 窓口ごとに役割が違います。技術検証は産業技術センター、経営全般はよろず支援拠点、と入口を間違えると回り道になります。
対象読者:栃木県内の中小企業の経営者、後継者、総務・情報システム担当者
今日やること:「AIで解決したい業務」と「今その業務に何時間かかっているか」を1枚にまとめる
「AIを何かに使えないか」と考えたとき、栃木県内の中小企業がいきなりベンダーに問い合わせる必要はありません。栃木県は県内企業のAI・IoT導入を支援する拠点を設置しており、そこを入口にできます。
一方で、県内の支援機関は複数あり、それぞれ担当する領域が違います。入口を間違えると「うちの担当ではないので、あちらへ」と回されて時間を失います。
この記事では、2026年9月時点で公開されている各機関の公式情報をもとに、栃木県内でAI導入を相談できる窓口と、その使い分けを整理します。
結論:最初の1本の電話は「とちぎビジネスAIセンター」
AI・IoTの導入を検討している栃木県内の企業が、最初に接触すべき窓口は「とちぎビジネスAIセンター」です。栃木県が県内企業のAI・IoT導入・活用を支援するために設置した拠点です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 設置主体 | 栃木県 |
| 所在地 | 〒321-3226 宇都宮市ゆいの杜1-5-40 とちぎ産業創造プラザ内 |
| 電話番号 | 028-680-5762 |
| 受付時間 | 9:00〜17:00(平日/12:00〜13:00を除く/土日祝日・年末年始を除く) |
| 対象 | 県内企業 |
理由はシンプルで、AI導入で企業がつまずく場所を一通りカバーしているからです。同センターの支援メニューは、公式サイト上で次の3段階に整理されています。
| 段階 | 支援メニュー |
|---|---|
| AI・IoTを知る | 体験・体感/セミナー・勉強会/AI活用事例の紹介/人材育成 |
| AI・IoTの相談 | 個別相談/ベンダーとのマッチング/補助金・助成金 |
| AI・IoTを導入 | 伴走支援 |
特に効くのが「ベンダーとのマッチング」です。中小企業がAI導入で失敗する典型は、比較対象を持たないまま最初に会った1社に決めてしまうことです。公的な立場でベンダーを紹介してもらえる窓口があるだけで、この失敗の確率は下がります。
なお、費用については公式サイト上に明確な記載がありません。相談時に確認してください。
明日からできること:電話をかける前に、「どの業務を」「誰が」「月に何時間やっているか」を3行だけ書き出しておく。この3行があるだけで相談の質が変わります。
窓口は4つある。役割が違う

栃木県内でAI・DX・IT関連の相談ができる公的機関は、とちぎビジネスAIセンターだけではありません。目的によって入口を変えたほうが早く進みます。
| 機関 | 得意領域 | こういうときに使う |
|---|---|---|
| とちぎビジネスAIセンター | AI・IoTの導入全般 | 「AIで何かできないか」の段階から相談したい |
| 公益財団法人 栃木県産業振興センター | 経営支援全般・補助金情報 | 補助金や販路開拓もまとめて相談したい |
| 栃木県よろず支援拠点 | 経営課題全般の無料相談 | AIに限らず経営全体を相談したい |
| 栃木県産業技術センター | 技術試験・研究開発支援 | 技術的な検証・試作が必要 |
公益財団法人 栃木県産業振興センター
とちぎビジネスAIセンターと同じ「とちぎ産業創造プラザ」内にあります(〒321-3226 宇都宮市ゆいの杜1丁目5番40号)。国や県の行政機関、県内の各支援機関と連携して、県内企業の経営基盤強化や技術高度化を総合的に支援する公益財団法人です。
公式サイトで案内されている支援メニューは次のとおりです。
- 相談支援
- 起業支援
- 新商品開発支援
- 取引先開拓支援
- 人材育成支援
- 知的財産支援
- 海外進出支援
- SDGs推進支援
- 補助金・助成金情報提供
AI導入は単体で完結せず、「補助金を使えるか」「人をどう育てるか」「新しい商品にどうつなげるか」と地続きになります。そこまで含めて相談したい場合は、こちらが向いています。
栃木県よろず支援拠点
国が全国に設置している中小企業向けの無料経営相談所の栃木県版です(tochigi-yorozu.go.jp)。AIに限らず、売上、資金繰り、人材といった経営課題全般を相談できます。
「AIを入れるべきか、そもそもその前にやることがあるのか」から整理したい場合は、ここが適しています。AI導入が目的化していないかを、外部の目で確認してもらえるのが価値です。
栃木県産業技術センター
栃木県の試験研究機関です。とちぎビジネスAIセンターのキックオフセミナーの案内も同センターのサイトで告知されています(栃木県産業技術センター)。
画像認識で不良品を判定したい、センサーデータを取って解析したいなど、技術的な検証が必要な段階ではこちらが関係してきます。
AI導入の進め方でお悩みですか?
とちぎAI実装ノートは、栃木県内の企業がAIを実際の業務に組み込むところまでを支援しています。「公的窓口に相談したが、その先の実装で止まっている」「ベンダーの提案が自社に合っているか判断できない」といった段階からご相談いただけます。
補助金は「窓口経由」で情報を取るのが早い
AI導入に使える補助金は、国の制度と県の制度の両方があります。ただし県の制度は公募期間が短く、公募が終わってからでは間に合いません。
たとえば栃木県の「ものづくり産業生産性向上支援補助金」は、令和8(2026)年度の公募期間が2026年4月15日から6月15日17時まででした。県内の製造業の中小企業者等・中堅企業者(みなし大企業を除く)を対象に、生産設備導入に要する経費の一部を補助する制度です。申請は栃木県電子申請システムから行います。
出典:栃木県/令和8(2026)年度ものづくり産業生産性向上支援補助金事業計画の募集について(問い合わせ:栃木県 産業労働観光部 工業振興課 ものづくり企業支援室 028-623-3249)
また「とちぎ中小企業 収益力向上プログラム」は、県内に本店を持ち従業員100人以下程度の中小企業・小規模事業者を対象に、専門家が約8ヶ月の伴走支援を行うプログラムです。令和8年度は2026年6月5日から7月17日までの募集で、定員15社程度、参加費は1社2万円でした。
出典:栃木県/令和8年度「とちぎ中小企業 収益力向上プログラム」参加企業募集
いずれもこの記事の公開時点では公募期間が終了しています。ここから分かることは1つです。
制度を見つけてから準備を始めると、間に合わない。
公募は例年似た時期に行われる傾向があるため、公募が出ていない時期に準備しておき、公募が出たら申請するという順番にする必要があります。そのための情報源として、とちぎビジネスAIセンターや栃木県産業振興センターの補助金情報提供を使うのが現実的です。
明日からできること:栃木県産業振興センターととちぎビジネスAIセンターのサイトをブックマークし、メールマガジンがあれば登録しておく。
窓口に行く前に用意しておくと話が早い3点
公的窓口の相談は無料または低額ですが、担当者の時間は有限です。次の3点を持ち込むと、1回の相談で進む距離が変わります。
1. 困っている業務の「時間」
「事務作業が大変です」ではなく、「請求書の発行に、経理担当1名が月20時間かかっています」と言えると、AIで削減できる余地があるかを即座に判断してもらえます。
2. 今使っているツールの一覧
会計ソフト、販売管理システム、Excelファイル、紙の帳票。AIは既存のデータとつながって初めて価値を出すため、何にデータが入っているかが分かると打ち手が具体的になります。

3. 予算と時期の感覚
「いくらまでなら出せるか」「いつまでに形にしたいか」が決まっていなくても、「50万円なのか500万円なのかも分からない」状態か、「100万円くらいまでなら」という感覚があるかで、提案される選択肢がまったく変わります。
明日からできること:この3点をA4用紙1枚にまとめる。埋まらない項目は空欄のままで構いません。空欄自体が相談の材料になります。
栃木でAI導入を考えるときの現実的な順番
ここまでを踏まえると、進め方はこうなります。
| 順番 | やること | 使う窓口 |
|---|---|---|
| 1 | 困っている業務と時間を書き出す | (自社で実施) |
| 2 | AIで解決できる余地があるか相談する | とちぎビジネスAIセンター |
| 3 | 経営全体の優先順位を確認する | 栃木県よろず支援拠点 |
| 4 | 補助金の候補と時期を把握する | 栃木県産業振興センター/とちぎビジネスAIセンター |
| 5 | 技術検証が必要なら試験・研究を行う | 栃木県産業技術センター |
| 6 | ベンダーを比較して導入する | とちぎビジネスAIセンターのマッチング |

重要なのは、1から順にやらなくてよいということです。困りごとが明確なら2から入ればよく、補助金の時期だけ知りたいなら4だけでも構いません。
一方で、1を飛ばすとどの窓口でも同じ質問を受けます。「具体的にどの業務ですか」です。ここだけは自社で用意する必要があります。
まとめ
栃木県内の企業がAI導入を相談できる公的窓口は複数あり、役割が分かれています。
- とちぎビジネスAIセンター(栃木県設置/宇都宮市ゆいの杜/028-680-5762)が、AI・IoT導入の入口
- 栃木県産業振興センターが、補助金・人材育成を含む経営支援全般
- 栃木県よろず支援拠点が、AIに限らない経営課題の無料相談
- 栃木県産業技術センターが、技術検証・試験研究
そして、県の補助金は公募期間が短く、見つけてから準備しては間に合いません。公募がない時期に準備しておくことが前提になります。
まずは「どの業務に、誰が、月何時間かけているか」を1枚にまとめてください。それが、すべての窓口で最初に聞かれることです。
その先の「実装」で止まっていませんか?
とちぎAI実装ノートは、株式会社Nexaが運営する栃木県内企業向けのAI実装支援メディアです。公的窓口で方向性が見えた後、実際に自社の業務へAIを組み込む段階の伴走をしています。ツール選定、業務フローの設計、社内定着まで、現場に入って進めます。
